仲良し地味くんは私の隠れ護衛でした。

「あ……椎名さん、まさか好きな人できた？」

「えっ？ええ！？」


ど、どうしてそんな、わかるの……！？


「やっぱり図星？寂しいなぁ。だから俺と距離取ってるのか」

「ち、ちがうよ……？」


忍くんのことが好きだ。

だけど、好きで仕方ないせいか、離れちゃうだけで……他の人が好きなわけじゃない。


「ふーん、そっか」


あれ……？ちょっと拗ねちゃった？


「椎名さんの好きな人って、だぁれ？」

「へっ？」


少し不貞腐れるように、そう言ってきた忍くん。

どんな表情をしているのかはわからない。


そして……私は、なんて返すのが正解なの？


「俺にも言えないの？」


忍くんだから言えないんだよ……！！


なんて、心の中で考えることしかできない。