仲良し地味くんは私の隠れ護衛でした。
学校に着き、そのまま教室まで向かって行く。
やっぱり階段は疲れるなぁ……。
三階まで登らなくては行けない。
「はぁ……」
「大丈夫?」
「うん……」
ちょっと運動不足かなぁ……。
忍くんは全然疲れてなさそうだし、やっぱすご——
「へ?」
つるっと滑ってしまった階段。
私、これで何階目?階段に恨まれてるの?
そう思うほどに、階段ではよく転ぶ。
「っ!椎名さん!」
忍くんがいつもと違って……少し上の方にいた。
私を助けようとしたら、危ないから離れて……そう、言う間もなかったけれど、ただ願った。
スローモーションで流れる落下シーン。
ドンッ!と音がした。
けど、やっぱり……痛みはしなかった。
「椎名、さん……大丈夫?」
「忍くん……本当にごめんね……」
私、最低だ……大好きな人を、こんな目に遭わせて。
「何謝ってるの?俺は椎名さんが無事でいてくれれば——」