仲良し地味くんは私の隠れ護衛でした。
教室に着いてから……恥ずかしくて、頬を押さえっぱなしだった。


だけど、忍くんの席は斜め後ろ。


どうあがいても、この距離は保たなければいけない……。


うう……今日は合わせる顔がないな……もう1人で帰ろう……。


少し寂しいけれど、それ以前にもうどうしようもなくドキドキしているので、絶対に1人で帰ると誓った。


家に帰ったら、胡桃ちゃんに相談してみよう……。


その後、忍くんと喋ることはなかった。

恥ずかしくて、申し訳ないけれど無意識に避けてしまっていたのだ。



そして、迎えた放課後。

ササッと校舎から出て、歩き出す。


一応、今日は1人で帰るから送らなくて大丈夫たよ、とは連絡を入れておいた。


これで、一安心……。



そう、思ってしばらく歩いていたところだった。


「あ、椎名ちゃんじゃん」

「うわー、思ってたより可愛い」

「えっ……?」


目の前に現れたのは、おそらく一個上の先輩方だ。

< 69 / 239 >

この作品をシェア

pagetop