仲良し地味くんは私の隠れ護衛でした。

秘密の騎士【side 忍】

突然だが、俺、黒瀬忍には秘密がある。


『忍くん！』


この、可愛くて仕方がない椎名さんの、護衛係と言うことだ。



そして——


「「「おかえりなさいませ、忍様」」」

「ああ、ただいま」


有名企業、黒瀬財閥の御曹司、だと言うこと。


無駄に大きな屋敷の扉を開けば、たくさんの使用人が列を作り深く頭を下げている。


「坊っちゃん、本日の学校はいかがでしたか？」


執事にそう聞かれる。


コクリと頷いて、「楽しかった」と答えた。


前までは、とても退屈だったのに……椎名さんと出会ってから、世界が一転したようだ。


毎日が楽しくて、輝いて仕方がない。



そして、なぜ御曹司である俺がどうして椎名さんの護衛になったのかと言うと……。


父親同士が仲がいいらしいからだった。


ちょうど、自分の身を守るための護身術も小さい頃から習っていた。


で……俺が女というか、人間に興味を示さないから心配して、椎名さんの護衛にすることにしたんだとか。