仲良し地味くんは私の隠れ護衛でした。
いつか、本当のことを全て話したい。


俺と椎名さんが、婚約者同士だと言うことも——


俺が父親を説得して、了承をもらった話だ。


椎名さんとの結婚の約束。お嬢様な以上、その覚悟は持ってくれているはず。


そして……俺に惚れてくれた今がチャンスだ。


絶対に、椎名さんを他のヤツには渡さない……!!


「何かお悩みになられているようですね」


先程同様の執事、早乙女にそんなことを言われてしまった。


「ああ……。すごく悩んでる」

「まさか、恋でもされましたか?千幸様に」

「……そうだよ」


あっけなく認めてしまった。

でも……嫌な気はしない。


というか……千幸、か。可愛らしい名前だなぁ。

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