仲良し地味くんは私の隠れ護衛でした。
それに、任されてるんだ。君のお父さんから。
絶対に守りたい。
確かに、車の方が安全だろうけど……俺は、椎名さんとの時間が欲しい。
【お願い椎名さん】
【わかった……】
流石に折れてくれたのか、OKをしてくれた。
【ありがとう】
そうメッセージを送る。
そして……胸が、ふわっと満たされていくような感覚がした。
パンクしてしまいそうだったけれど、嫌な気はしない。
けどどこか切なくて仕方がない……最近、こんな調子ばかりだ。
これが、恋の病と言うヤツなのだろうか……。
何を見ていても、目を瞑っても……すぐに椎名さんが浮かんできて、いっぱいになってしまう。
早く、伝えてしまいたい……君が好きだと。
「坊っちゃん、お着替えをご用意しました」
「ありがとう」
側に置かれた着替え。
ソファに飛び込んだせいで乱れてしまった制服。
はぁ……本当、俺どうかしてるよなぁ……。
「そういえば、もうすぐパーティーがあるそうですよ」
「パーティー?」
「はい」
「俺は行かない」
パーティーなんて、ただただつまらないだけだ。