私の人生

進路

「希さん、進路はどうするの?」
とある日突然聞かれた。

「……この先は、自分の好きことをしたい…。縛られたくない。」
勇気を振り絞ってそういった。

「一度お母さんと話してみて」

「…わ、わかりました。」

私は、幼い頃からの夢があった。
女優は無理なら、歌手。
とにかくテレビの世界に憧れていた。

– – – –数日後
母親に勇気を振り絞って電話をした。

「はい。何。」

(え?第一声目それ?)
「もしもし。のぞみだけど。進路について話したくて」

「働きなさい。あんたなんて行くところないし、行かせるお金もないわよ。本当に行きたいなら指定校推薦もらいなさい。」

「わかった。」

電話を切る。
そんな言い方しなくたっていいじゃんか。
自然に涙が流れる。
おばあちゃんやおじいちゃんに心配かけまいと、声を押し殺して泣く。

落ち着いてから必死に大学を調べ、説明会の日程を調べる。
そして、実の父に連絡する。

「もしもし」

「父さん?大学の説明会が◯月◯日にホテルであるから送迎してほしい。」

「ん。わかった」

実の父は、私に甘い。とっても優しい。
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