完全犯罪を成し遂げる方法
「美樹、またしばらく学校来れないでしょ?ちゃんとノート取っておくから」

私の気持ちなんて百合は知らない。ヘラリと笑ってそう言う。でも、ノートを取ってもらわないと困るから、私は渋々「ありがとう」と返した。



それから一ヶ月、私は防音設備の整ったタワマンの一室に置かれたベッドの上で、体を掻きむしりながらもがいていた。

「痒い、痒い、痒い、何なのあのヤブ医者!全然治らないじゃない!」

疥癬は治るどころか悪化していた。瘡蓋だけでなく白い水ぶくれのようなものもでき始め、それがとてつもなく痒い。

あの日処方された軟膏を塗っても全く治らなかったから、違う皮膚科に行った。でも治らない。個人病院がだめならばと大きな病院にも行き、そこで処方された薬を塗り、痒み止めも飲んでいる。でも、痒みは治るどころか増すばかりで、私は寝ることも食べることもほとんどできずに、一日中体を掻きむしっている。

「うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
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