推しは策士の御曹司【クールな外科医と間違い結婚~私、身代わりなんですが!】スピンオフ
気を使わせてしまっている。気持ちを切り替えて目を閉じて深呼吸する。冷静になれ。取り乱して気を使わせるなんて、絶対やってはいけないことなのに、ごめんなさい。
「いただきます」
「はい。どうぞ召し上がれ」幼稚園の先生のように言うので私はまた笑顔になると、それ以上の笑顔が返ってきた。
「咲月さんは笑顔の方が似合ってる」
「リップサービス幸せです。こんな人前で取り乱してすみません」本音を出しながらチーズケーキを口にすると「人前でよかったですよ」と専務は言った。
「いえ、恥ずかしいです」反省しながらそう言うと
「人がいてよかったです。誰もいなかったら可愛くて抱きしめて押し倒してました」などと言われて、チーズケーキが喉元いっぱいに広がって呼吸困難になる。
「大丈夫?」
「いえ、その、ごめんなさい。その手の冗談に慣れてなくて」慌てて水を飲んでチーズケーキを流し込む。
今日は食べ物も飲み物も味がしない。推しの冗談はキツい。
それからまた少し話をして、お店の時計はもう9時を過ぎていた。1時間も専務とツーショットで過ごしていたなんて、体感時間はほぼ10分ぐらいだったのに。時計を見て驚いた様子を察したのか、専務は私に「遅い時間ですね、車を呼びましょう」と言った。車を呼ぶ?とんでもありませんっ!どこぞの姫ですか私は!
「いえ、大丈夫です。ごちそう様でした。ありがとうございます」泣いたり笑ったりふわふわしたり、その比率はふわふわが1番占めていた。この状態でよくぞ飛んでいかなかった自分を褒めてあげよう。夢のような時間だった。まだ2月に入ったばかりだけれど、今年はこれ以上の良いことはないだろう。それでも私は後悔しません。誰にともなく感謝して、楽しい時間が無事終わろうとしていたら「連絡先を教えてもらえますか?」と聞かれてしまった。
「いただきます」
「はい。どうぞ召し上がれ」幼稚園の先生のように言うので私はまた笑顔になると、それ以上の笑顔が返ってきた。
「咲月さんは笑顔の方が似合ってる」
「リップサービス幸せです。こんな人前で取り乱してすみません」本音を出しながらチーズケーキを口にすると「人前でよかったですよ」と専務は言った。
「いえ、恥ずかしいです」反省しながらそう言うと
「人がいてよかったです。誰もいなかったら可愛くて抱きしめて押し倒してました」などと言われて、チーズケーキが喉元いっぱいに広がって呼吸困難になる。
「大丈夫?」
「いえ、その、ごめんなさい。その手の冗談に慣れてなくて」慌てて水を飲んでチーズケーキを流し込む。
今日は食べ物も飲み物も味がしない。推しの冗談はキツい。
それからまた少し話をして、お店の時計はもう9時を過ぎていた。1時間も専務とツーショットで過ごしていたなんて、体感時間はほぼ10分ぐらいだったのに。時計を見て驚いた様子を察したのか、専務は私に「遅い時間ですね、車を呼びましょう」と言った。車を呼ぶ?とんでもありませんっ!どこぞの姫ですか私は!
「いえ、大丈夫です。ごちそう様でした。ありがとうございます」泣いたり笑ったりふわふわしたり、その比率はふわふわが1番占めていた。この状態でよくぞ飛んでいかなかった自分を褒めてあげよう。夢のような時間だった。まだ2月に入ったばかりだけれど、今年はこれ以上の良いことはないだろう。それでも私は後悔しません。誰にともなく感謝して、楽しい時間が無事終わろうとしていたら「連絡先を教えてもらえますか?」と聞かれてしまった。