絶対にずっと好きだと証明しましょう
樹が私と付き合ったのは
高3になりたての春、日向楓は彼に告白をした。
学校の裏庭の桜の木の下で。
別に告白するために彼を裏庭に呼び出したわけではない。
誰もいない裏庭を通って裏門から出て帰ろうとしたら、彼がごつごつしたソメイヨシノの木に右手をそえて、七分咲きの桜を見上げていたのだ。
きれいに晴れた青い空をバックに薄いピンクの花びらがひらひらと舞い、彼の頭に着地するまで、楓は彼を見ていた。
というよりうっかり見とれていたのだ。
だから彼が楓に気がつき顔をこちらに向けたとき、楓は盗み見を見つかったようなバツの悪さを覚えて慌てて顔を反らそうとした。けど、間に合わずに視線が合ってしまった。
楓は彼を見ていた理由を何か言わなくてはと慌て、彼の頭を指した。
「髪に」
なに? と彼が瞳で聞いてくる。
「花びらついてる」
「ああ」
そういうことかというように彼は笑みを浮かべ「取ってよ」と言う。
そんなの自分でとればいいじゃないとは言えず、言えないどころか楓は一瞬固まった。
それから大きく鼻で息を吸い、緊張などしていない風で彼に近づいた。
彼の艶々と光る髪の上で、一休みしているような花びらに手を伸ばす。
少し上から楓を見下ろす彼の視線を感じ、花びらを取る間の数秒間、胸がどきどきとした。
「取れたよ」
「有難う」
にっこりと笑った顔は、桜の精じゃないかと思うくらいきれいだった。
緩やかな風にのって、花びらが2人の間をふんわりと降りてくる。その花びらが地面に着地したとき、楓は自分でも予想していなかった言葉を口にしていた。
「私、作間君のこと好きなの、付き合ってくれないかな」
学校の裏庭の桜の木の下で。
別に告白するために彼を裏庭に呼び出したわけではない。
誰もいない裏庭を通って裏門から出て帰ろうとしたら、彼がごつごつしたソメイヨシノの木に右手をそえて、七分咲きの桜を見上げていたのだ。
きれいに晴れた青い空をバックに薄いピンクの花びらがひらひらと舞い、彼の頭に着地するまで、楓は彼を見ていた。
というよりうっかり見とれていたのだ。
だから彼が楓に気がつき顔をこちらに向けたとき、楓は盗み見を見つかったようなバツの悪さを覚えて慌てて顔を反らそうとした。けど、間に合わずに視線が合ってしまった。
楓は彼を見ていた理由を何か言わなくてはと慌て、彼の頭を指した。
「髪に」
なに? と彼が瞳で聞いてくる。
「花びらついてる」
「ああ」
そういうことかというように彼は笑みを浮かべ「取ってよ」と言う。
そんなの自分でとればいいじゃないとは言えず、言えないどころか楓は一瞬固まった。
それから大きく鼻で息を吸い、緊張などしていない風で彼に近づいた。
彼の艶々と光る髪の上で、一休みしているような花びらに手を伸ばす。
少し上から楓を見下ろす彼の視線を感じ、花びらを取る間の数秒間、胸がどきどきとした。
「取れたよ」
「有難う」
にっこりと笑った顔は、桜の精じゃないかと思うくらいきれいだった。
緩やかな風にのって、花びらが2人の間をふんわりと降りてくる。その花びらが地面に着地したとき、楓は自分でも予想していなかった言葉を口にしていた。
「私、作間君のこと好きなの、付き合ってくれないかな」