絶対にずっと好きだと証明しましょう
店を出ると外はすっかり暗く景色は夜になっていて、空に星が2つ大きく輝いていた。
会社帰りの人だろう。スーツ姿の人たちが慌ただしく駅に向かって歩いていく。
美幸が腕時計を見て「まだ早いけど、どうする?」と、みんなに尋ねる。
「僕は帰る」と樹が真っ先に答える。
「樹君の家、どこだっけ?」
「等々力」
違う。それは楓の家だ。
「嘘つき。等々力ではないよね」また適当なことを言っていると美幸が笑う。
「嘘じゃない。今日は楓の家に帰るから」
美幸の笑顔が少し歪んだ。
樹がじゃあと言って楓の手をとりさっさと歩き出したので、楓も引っ張られながら慌てて健夫と美幸を振り返り「それじゃまた」と言って歩き出した。
樹は駅に行く手前で道を曲がり歩き続ける。なんとなく適当に歩いているだけなのだろう。
楓は何も聞かず、樹に手を握られ歩く。握られた手のひらから幸せが体中に巡っていくようだ。
「ねえ、私もあの映画見たかったのにどうして美幸さんを誘ったのよ」
「だから誘ってないよ。ゼミが終わってこれからどうするのって聞かれたから映画に行くって答えたら、じゃあ私も行くって勝手についてきたんだよ。それに楓を誘っただろう」
楓が欲しかった答えが返ってくる。
「そっか」
「まあ楓には楓の都合があるからね」
「さっき説明したけど、単に講義中だったの」
「もう誘わない」
「なんでよ」
こんなちゃらちゃらしたやりとりが楓にとってはとても幸せだった。
会社帰りの人だろう。スーツ姿の人たちが慌ただしく駅に向かって歩いていく。
美幸が腕時計を見て「まだ早いけど、どうする?」と、みんなに尋ねる。
「僕は帰る」と樹が真っ先に答える。
「樹君の家、どこだっけ?」
「等々力」
違う。それは楓の家だ。
「嘘つき。等々力ではないよね」また適当なことを言っていると美幸が笑う。
「嘘じゃない。今日は楓の家に帰るから」
美幸の笑顔が少し歪んだ。
樹がじゃあと言って楓の手をとりさっさと歩き出したので、楓も引っ張られながら慌てて健夫と美幸を振り返り「それじゃまた」と言って歩き出した。
樹は駅に行く手前で道を曲がり歩き続ける。なんとなく適当に歩いているだけなのだろう。
楓は何も聞かず、樹に手を握られ歩く。握られた手のひらから幸せが体中に巡っていくようだ。
「ねえ、私もあの映画見たかったのにどうして美幸さんを誘ったのよ」
「だから誘ってないよ。ゼミが終わってこれからどうするのって聞かれたから映画に行くって答えたら、じゃあ私も行くって勝手についてきたんだよ。それに楓を誘っただろう」
楓が欲しかった答えが返ってくる。
「そっか」
「まあ楓には楓の都合があるからね」
「さっき説明したけど、単に講義中だったの」
「もう誘わない」
「なんでよ」
こんなちゃらちゃらしたやりとりが楓にとってはとても幸せだった。