絶対にずっと好きだと証明しましょう
とはいえ最初は恋愛関係など他人が口を突っ込むことではないし、当人に任せておけばいいじゃないかと無視するつもりでいた。
なのに樹が突然、楓のことをどう思うかなどと聞いてくるので、沙耶の要望に応じるような展開になってしまったのだ。
調子に乗って楓との将来を考えているとまで芝居をうった。
ここまで言えばさすがの樹も焦るだろうと、ユーゴとしては満足感満載のミッションコンプリートとなったのだが、それにしては楓の表情はどろんと冴えない。
「振られました」
「え?」
ユーゴは耳を疑った。なのでもう一度聞き返した。
「え?」
楓は目を伏せて、まるでその時の苦い思いを飲み干すかのように目の前のジョッキをぐいっとあおった。
楓には珍しく大ジョッキだ。
「別れちゃいました」
「おい嘘だろ? いつ? どうして? なんでだよ」
「本当です。ユーゴさんに蛙の目だと言われた前の日の日曜日。理由はよくわかりません。でももしかしたら、いえ、きっと好きな人ができたんだと思います。樹はとうとう本当に好きな人に出会っちゃったんですよ」
楓はまたジョッキをグイとあおった。
初めて目にする雄々しい飲みっぷりだった。
「もしかして蛙の目は失恋して泣きはらしたせいだったのか?」
なのに樹が突然、楓のことをどう思うかなどと聞いてくるので、沙耶の要望に応じるような展開になってしまったのだ。
調子に乗って楓との将来を考えているとまで芝居をうった。
ここまで言えばさすがの樹も焦るだろうと、ユーゴとしては満足感満載のミッションコンプリートとなったのだが、それにしては楓の表情はどろんと冴えない。
「振られました」
「え?」
ユーゴは耳を疑った。なのでもう一度聞き返した。
「え?」
楓は目を伏せて、まるでその時の苦い思いを飲み干すかのように目の前のジョッキをぐいっとあおった。
楓には珍しく大ジョッキだ。
「別れちゃいました」
「おい嘘だろ? いつ? どうして? なんでだよ」
「本当です。ユーゴさんに蛙の目だと言われた前の日の日曜日。理由はよくわかりません。でももしかしたら、いえ、きっと好きな人ができたんだと思います。樹はとうとう本当に好きな人に出会っちゃったんですよ」
楓はまたジョッキをグイとあおった。
初めて目にする雄々しい飲みっぷりだった。
「もしかして蛙の目は失恋して泣きはらしたせいだったのか?」