絶対にずっと好きだと証明しましょう
「その写真を見てとうとう樹に好きな人ができちゃったのかと勘違いしたの。とてもいい感じの写真だったから。それに私が頼んで始まった付き合いだったから、いつか樹が本当に好きな人に出会ったら終わるのかなってずっと怖かったのは本当。こんなきれいな彼女なら勝ち目ないなって素直に思った」
「つまり樹と楓ちゃんはお互いの勘違いのせいで相手を慮って別れたわけだ」
「その前にユーゴさんのせいですけど」
「ユーゴ君、作戦失敗って認めていたよね」

楓と樹は冷たい視線をユーゴに向けた。

「いや、まあそうなんだけど、沙耶も俺も君たちを思ってさ……」

そう弁解するユーゴを楓も樹もじっとり見つめ続ける。

「ゴメン。申し訳ない」ユーゴがいたたまれずに頭を下げる。
そしてガバっと頭を上げると、罪悪感からさっさと解放されたいのだろう。
「だからこの別れはなかったってことでいいよな。な、な、な、それでいいよな」と、隣の樹と正面に座る楓を交互に見てせっつく。
もちろん楓に依存はないが、樹の方は硬い表情のままだ。

「なんだよ、じらすなよ」

早く解決させたいユーゴが咎めるように樹を肘でつつく。
樹は少し考えてから「元には戻さない」と答えた。
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