絶対にずっと好きだと証明しましょう
「高校生の頃から付き合ってきて、そんな思い違いで別れるってさ、お互いの気持ちが伝わってなかったってことだろ。樹が伝えられなかったのか、楓ちゃんが受け取れなかったのか。それでよく12年も続いたな、だいたいのらりくらりしている樹が悪い」

楓と樹が元のさやに納まり、自分のおせっかいによる失敗を何とか回収できて安堵したせいかユーゴの酒のピッチは上がり、珍しく酔いがわまってきたのか説教が始まった。

「僕はのらりくらりしている?」と樹が楓にたずね、楓は「のらりくらりというよりふらふら? じゃなくてふわふわかな」と真面目に考えて微笑む。

どれも優柔不断な感じだなと樹は口をつぼみ、でもそうかもしれないと認めた。

「おい、そういうとこだよ。そうかもなって軽く認めて流すなよ。だから楓ちゃんを不安にさせるんだろ」

もはや絡み酒といってもいい。

楓はせっかく樹との仲をとりもどせたのだから今はそっとしておいてほしいという気持ちを込めて「樹のふわふわはいい感じのふわふわだから」とよくわからないフォローをした。

「確かに僕はのらりくらり、ふわふわ、ふらふらしているかもしれないけど――」
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