絶対にずっと好きだと証明しましょう
「すぐできるから座って待ってて」
樹がカウンターの中に入って手を洗うとユーゴの隣で一緒に盛り付けを始めた。
「でも手料理よりフランに誘った方がよかったんじゃないの? 席とってやったのに」
フラン? まさに今頃、健夫と美幸がフランでワインを傾けているに違いない。
「ユーゴ君のお父さん、フランのオーナーシェフなんだよ」
「え!」
「でも高いし大学生が行く店じゃないよな。肩凝るだけだ」
生ハムとルッコラのサラダと真鯛のカルパッチョ、小エビのフリッター、バゲットが次々とテーブルに並べられ、冷えた白ワインのボトルのコルクを慣れた手つきでユーゴが開ける。
しゅこっとコルクが抜ける控えめな音が響く。
樹が楓の隣の椅子に座るとユーゴが3つのグラスにワインを注ぎ、樹と楓の前に置くと自分のグラスを掲げた。
「それじゃ楓ちゃんの誕生日に乾杯!」
「なんでユーゴ君が音頭とるんだよ」
あ、そうか、と笑ってそのまま席につこうとするユーゴを樹がじっと目で追う。
「いいじゃん、ちょっとくらい一緒に祝っても。メインの肉を焼き終えたら帰るからさ。いい男は1人より2人いた方が楽しいだろ」
ね、とにっこり笑いかけられ、楓はつられて笑い頷いた。
ユーゴは27歳で、料理は好きだがシェフになるつもりはなく、企業であと数年働いたらフランの経営を手伝うという。
今日は有休までとって樹に協力してくれたらしい。
樹が彼女を連れてきたのが嬉しいのか、ワインを注いだり替え皿を出したりとかいがいしく動き回り、よくしゃべり、笑い、ラムステーキを焼き終わると本当に自分の部屋に帰っていった。
樹がカウンターの中に入って手を洗うとユーゴの隣で一緒に盛り付けを始めた。
「でも手料理よりフランに誘った方がよかったんじゃないの? 席とってやったのに」
フラン? まさに今頃、健夫と美幸がフランでワインを傾けているに違いない。
「ユーゴ君のお父さん、フランのオーナーシェフなんだよ」
「え!」
「でも高いし大学生が行く店じゃないよな。肩凝るだけだ」
生ハムとルッコラのサラダと真鯛のカルパッチョ、小エビのフリッター、バゲットが次々とテーブルに並べられ、冷えた白ワインのボトルのコルクを慣れた手つきでユーゴが開ける。
しゅこっとコルクが抜ける控えめな音が響く。
樹が楓の隣の椅子に座るとユーゴが3つのグラスにワインを注ぎ、樹と楓の前に置くと自分のグラスを掲げた。
「それじゃ楓ちゃんの誕生日に乾杯!」
「なんでユーゴ君が音頭とるんだよ」
あ、そうか、と笑ってそのまま席につこうとするユーゴを樹がじっと目で追う。
「いいじゃん、ちょっとくらい一緒に祝っても。メインの肉を焼き終えたら帰るからさ。いい男は1人より2人いた方が楽しいだろ」
ね、とにっこり笑いかけられ、楓はつられて笑い頷いた。
ユーゴは27歳で、料理は好きだがシェフになるつもりはなく、企業であと数年働いたらフランの経営を手伝うという。
今日は有休までとって樹に協力してくれたらしい。
樹が彼女を連れてきたのが嬉しいのか、ワインを注いだり替え皿を出したりとかいがいしく動き回り、よくしゃべり、笑い、ラムステーキを焼き終わると本当に自分の部屋に帰っていった。