絶対にずっと好きだと証明しましょう

「ねえ、どうして健夫君まで私たちと一緒に教習所に通うのよ」
「美幸さんも取ったし、学生のうちに取ったほうが安いし、僕も卒業前に取ろうと思っていたからちょうどよかった」
「なにがちょうどいいのよ。別に同じ教習所に通わなくてもいいでしょ」
「友達が一緒の方が楽しそうだし」
「彼氏とふたりだけの方が楽しい。絶対楽しいから」

大学のカフェに来てから延々と続いている2人のやりとりに飽きたのか、樹が「別にいいじゃない」と、もう冷めかけたコーヒーをすする。
健夫はほらね、と意外と高い鼻をツンとあげ、「ちゃっちゃと免許取っちゃってさ、みんなで卒業ドライブに行こうよ。美幸さんも誘ってさ」と調子に乗る。

「絶対にいやだから」

目を吊り上げた楓を無視して「いいじゃん、ね」と、健夫は樹の方に同意を求めたが、
「それは遠慮しておく。美幸さんと2人で行きなよ」と、あっさり断られた。

ほらね。今度は楓が小さい鼻をツンと上げた。
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