絶対にずっと好きだと証明しましょう
計画はサクサク進み「まさにドライブ日和。晴れてよかったな」と、内心曇った心でハンドルを握っているのはユーゴだ。
伊豆下田のリゾートマンションに向かって、イーグルスの名曲である『ホテルカリフォルニア』を大音響でかけながら。
なぜユーゴまでいるのかと言えば理由は2つ。
まず樹が予定通りに免許を取れなかったこと。
会社から入社後すぐに新しいプロジェクトのメンバーに入ってほしい、そこで時間があれば卒業までの間もバイトで働いてくれとオファーされた樹はそれを承諾し、せっかく3万円のオプションで実技の予約が取れても行く時間がなく、結局まだ仮免にも到達していない。
そしてもう一つの理由は――。
りか子からバレンタインデーの夜はリモートワークをしているので会えないと言われたにも関わらず、ユーゴはサプライズのつもりでバラの花束を抱えてりか子のマンションを訪れた。
部屋のチャイムを鳴らし、りか子が細くドアを開ける。
花束を持ったユーゴを見てちょっと驚き、それから喜びの笑顔に変わるだろうとユーゴは想定していたのだが、実際のりか子は困った顔をした。
部屋の奥にTシャツとトランクス姿の細くて若い見知らぬ男が見えた。
男が着ているTシャツにディズニーのキャラクターが描かれていること、その子供じみた絵がやけに似合う男だというところまで見えてしまった。
ドア越しに気まずい空気が流れ「なんだ、サプライズしたのはこっちか」とユーゴはりか子に花束を押しつけるとドアの前から立ち去った。
背中を呼び止める声を少し期待はしたもののりか子は何も言わなかったし追いかけても来なかった。
伊豆下田のリゾートマンションに向かって、イーグルスの名曲である『ホテルカリフォルニア』を大音響でかけながら。
なぜユーゴまでいるのかと言えば理由は2つ。
まず樹が予定通りに免許を取れなかったこと。
会社から入社後すぐに新しいプロジェクトのメンバーに入ってほしい、そこで時間があれば卒業までの間もバイトで働いてくれとオファーされた樹はそれを承諾し、せっかく3万円のオプションで実技の予約が取れても行く時間がなく、結局まだ仮免にも到達していない。
そしてもう一つの理由は――。
りか子からバレンタインデーの夜はリモートワークをしているので会えないと言われたにも関わらず、ユーゴはサプライズのつもりでバラの花束を抱えてりか子のマンションを訪れた。
部屋のチャイムを鳴らし、りか子が細くドアを開ける。
花束を持ったユーゴを見てちょっと驚き、それから喜びの笑顔に変わるだろうとユーゴは想定していたのだが、実際のりか子は困った顔をした。
部屋の奥にTシャツとトランクス姿の細くて若い見知らぬ男が見えた。
男が着ているTシャツにディズニーのキャラクターが描かれていること、その子供じみた絵がやけに似合う男だというところまで見えてしまった。
ドア越しに気まずい空気が流れ「なんだ、サプライズしたのはこっちか」とユーゴはりか子に花束を押しつけるとドアの前から立ち去った。
背中を呼び止める声を少し期待はしたもののりか子は何も言わなかったし追いかけても来なかった。