絶対にずっと好きだと証明しましょう
楓は美幸と一緒の食事に気乗りしなかったが、樹を彼女と2人だけにするのはもっと気乗りがしなかった。
そこで同じ学部で親しい村井健夫も誘って合流することにした。
指定されたダイナーに行くと、先に店に到着していた樹と美幸は4人掛けの席に向かい合わせに座っていて、楓は樹の隣に、健夫は美幸の隣に座った。
樹と美幸に面識のない健夫が軽く自己紹介した後で「なんの映画を見てきたんですか」と2人に尋ねると、それがねと、美幸がおかしそうに目を細める。
「わんにゃんレスキュー隊」
「え!」
驚いた楓に美幸が顔を向けた。
「樹君がどんな映画が好きなのか興味があったけど、あまりにイメージが違って私も驚いちゃった」
それはアメリカのファミリー映画で、ブルドックのボブやペルシャ猫のファニーが周囲の動物たちの困りごとを解決していくというシンプルなものだけど、強面だけど優しいボブと頭がよくてクールなファニーは予告を見ただけでもとても魅力的だった。
楓が驚いたのは別に樹のイメージと違っていたからではなくて、春に封切されてから楓もずっと見たいと思っていた映画だったからだ。
「面白かった?」
目を輝かせて訊ねる楓にそれまでリアクションもなくメニューをのぞいていた樹が顔を上げ、「めちゃ面白かった」と口角をあげた。
「やっぱりね」と楓が同意する前に美幸が「え~そうかなあ」と甘ったるい声で反論し、そこで映画の話は終わった。
そこで同じ学部で親しい村井健夫も誘って合流することにした。
指定されたダイナーに行くと、先に店に到着していた樹と美幸は4人掛けの席に向かい合わせに座っていて、楓は樹の隣に、健夫は美幸の隣に座った。
樹と美幸に面識のない健夫が軽く自己紹介した後で「なんの映画を見てきたんですか」と2人に尋ねると、それがねと、美幸がおかしそうに目を細める。
「わんにゃんレスキュー隊」
「え!」
驚いた楓に美幸が顔を向けた。
「樹君がどんな映画が好きなのか興味があったけど、あまりにイメージが違って私も驚いちゃった」
それはアメリカのファミリー映画で、ブルドックのボブやペルシャ猫のファニーが周囲の動物たちの困りごとを解決していくというシンプルなものだけど、強面だけど優しいボブと頭がよくてクールなファニーは予告を見ただけでもとても魅力的だった。
楓が驚いたのは別に樹のイメージと違っていたからではなくて、春に封切されてから楓もずっと見たいと思っていた映画だったからだ。
「面白かった?」
目を輝かせて訊ねる楓にそれまでリアクションもなくメニューをのぞいていた樹が顔を上げ、「めちゃ面白かった」と口角をあげた。
「やっぱりね」と楓が同意する前に美幸が「え~そうかなあ」と甘ったるい声で反論し、そこで映画の話は終わった。