絶対にずっと好きだと証明しましょう
「まあなあ。でもさ、ひりひりする恋愛は疲れて長続きしないんだよ。おっさんになったからかな。一緒にいて楽しくてホッとする、そういうのが俺には向いてるんだよ」

「それってまさか告白ですか? 」と心の中で驚いたつもりがまさかの声に出していた。

ユーゴがアハハハと口を全開にして笑った。
きれいにそろった歯がとても健康的だった。

「ですよね、違いますよね」

うぬぼれもいいとこだ。
楓は恥ずかしさで、太陽にさらされ熱くなった頬をさらに火照らせた。

「まあ、それでもかまわないよ。樹よりたくましくて料理もうまい。フランでコース食い放題という得点付きだけどどう?」
「とても魅力的ですけど辞退しておきます」
「残念だな。俺との方が上手くいくかもしれないのに」
「そうですね」
「一応、樹にきいてみてよ。その方がいいかもね、とかあいつなら言うかもしれない」

あり得なくもない冗談だったので、楓は大して開かない目をありったけ見開いてユーゴに抗議のまなざしを向けた。
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