絶対にずっと好きだと証明しましょう
とりあえずその助かった道さんに乾杯しようと2人でワイングラスを掲げた。
開け放った大きな窓から風がすーっと入り込んできた。
ユーゴの部屋は7階で風がよく通る。
夜の匂いが通り抜けていく。
ベランダに出たらしきどこかの猫が甲高い声でミャーオと鳴いて、あとはユーゴ以外とても静かだった。
樹がユーゴに「楓は元気?」とまず聞いたのは、昼間の美幸の言葉が引っかかっていたせいだろう。
「なんで俺に聞くんだよ」
ユーゴは濃い眉を上げてがぶりとワインを飲んだ。
「最近、あまり会ってないから」
「確かに俺の方が彼氏のお前より楓ちゃんと一緒に過ごしている時間が長いな。用心したほうがいい。俺はイケメンで優しくて料理も上手い」
女性が好きな三拍子が揃っていると、ユーゴが得意げに顎を突き出した。
「イケメンなんだ」
「だろ」
濃い顔立ちに好き嫌いの好みはあるだろうけど、ユーゴは性格も含めてなかなかいい男だと樹も思っている。
しかし同意してやると図に乗るのでしない。
「あんまり放っておくと俺を好きになるかもしれないぞ」
「そうかな」
「いつまでもあると思うな、親と楓」
「なんだよそれ」
「つきあってもう12年だろ。干支が一回りだ」
あまり年数を意識したことはなかったが、12年と言われるとそんなに経ったのかと樹はぼんやり思う。
――そろそろ開放してあげて――美幸の言葉が染み出してくる。
開け放った大きな窓から風がすーっと入り込んできた。
ユーゴの部屋は7階で風がよく通る。
夜の匂いが通り抜けていく。
ベランダに出たらしきどこかの猫が甲高い声でミャーオと鳴いて、あとはユーゴ以外とても静かだった。
樹がユーゴに「楓は元気?」とまず聞いたのは、昼間の美幸の言葉が引っかかっていたせいだろう。
「なんで俺に聞くんだよ」
ユーゴは濃い眉を上げてがぶりとワインを飲んだ。
「最近、あまり会ってないから」
「確かに俺の方が彼氏のお前より楓ちゃんと一緒に過ごしている時間が長いな。用心したほうがいい。俺はイケメンで優しくて料理も上手い」
女性が好きな三拍子が揃っていると、ユーゴが得意げに顎を突き出した。
「イケメンなんだ」
「だろ」
濃い顔立ちに好き嫌いの好みはあるだろうけど、ユーゴは性格も含めてなかなかいい男だと樹も思っている。
しかし同意してやると図に乗るのでしない。
「あんまり放っておくと俺を好きになるかもしれないぞ」
「そうかな」
「いつまでもあると思うな、親と楓」
「なんだよそれ」
「つきあってもう12年だろ。干支が一回りだ」
あまり年数を意識したことはなかったが、12年と言われるとそんなに経ったのかと樹はぼんやり思う。
――そろそろ開放してあげて――美幸の言葉が染み出してくる。