絶対にずっと好きだと証明しましょう
「楓ちゃんが関わっている今の仕事はこれからうちの店でいくらでも生かせる。再来年にはカリフォルニアに出店する話も進んでいるし、いくらでも力を発揮できる場所を作れるさ。で、お前はどんな未来を楓ちゃんに提供するんだよ」

返事を返せない樹にユーゴはさらに畳みかけた。

「お前はそういうことを考えたことがなかったんだろう? 干支が一回りする間、彼女の女性としての将来もキャリアウーマンとしての未来もなんにも。いつだって楓ちゃんばかりに甘えて縛り付けるだけで」
「甘えて縛り付ける?」
「そうだろ。もし楓ちゃんが去っても傷つかないように、いつだって自分が逃げ込めるようなセーフティボックスをせっせと作ってたんじゃないか。それが楓ちゃんを傷つけているのもわかっていながらな。お前さ、全力で好きになって去られるのが怖いんだろう。りか子と同じだ。だからわかるんだ。まあ、りか子はもっと強力だけどな」

昼間の美幸に続いてユーゴからの突然の発砲を防御できず、樹はやはり言葉を返せなかった。

「傷つかないための自己防衛はおばさんの男遍歴を見てきたせいか?」

ちょっと待てくれと樹はユーゴの連射を止める。

「話を戻すけど楓とはもう付き合ってるってことなのかな」

ユーゴがきょとんとした顔をする。
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