半径3cm未満に
「⋯あ」

しゅるしゅると気分が下がる。

「ね、日向さん?
何があったの?」

心配そうな先生の顔に、視線をそらした。

「…何も…ないです」

「んな訳ないよね?
教えてくれない?」

今は言えないから、とつけ加えた。

「日向さん。
今は無理に言わなくてもいいけど…でも、1人で抱えこもうとは思わないで」

先生は、真剣な表情でそう言った。

「日向さんは1人じゃないから。
俺のこと…頼りになるかわかんないけど、頼りにしてほしい」

ふふっと笑ってしまった私。

「え、今俺真面目なこと言ったんだけど、笑うとこなの?」

「頼りになるかわかんないのに頼りにするんですか?」

「俺なりに日向さんの役に立てるようにするし、軽い相談でもなんでもいいから。」

魚島先生はいい先生だな。

そう思ってしまった。

「ありがとうございます」
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