半径3cm未満に
「…はい…。」

私は先生から離れてベッドに横になった。

「ちゃんと寝ててよ?」

「ん…。先生も、ケガしないでね…?包丁で指切ったりしないでね…?」

「さっき倒れかけた子にそんなこと言われたくないなぁ」

「っ…。た、たまたまだよっ…」

確かに…私は人のこと言えないよね…。

「でも、ありがとね。」

「なにが?」

「なんでもないよ」

そう言うと先生はドアの向こうへと行ってしまった。

私、何なんだろうね。

先生に「恋衣」って呼ばれたらドキドキしちゃって。

自分の名前が好きになった。

先生に抱きしめられた瞬間からドキドキしちゃって。
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