半径3cm未満に
先生、もしかして私のこと心配してくれてるのかな?

「… 住めばいいじゃん」

「…は?」

予想外のことに思考がおいつかない。

「言ったよね?もう頑張ったって。十分頑張ったって。もう、頑張んなくていいよ?」

「頑張らなくて…いい…」

おかゆをこぼしそうになってあわてて手元を見た。

「もう、日向さんが苦しむ姿、見たくない。」

わかってるよね、恋衣。

魚島先生はみんなにこう言うこと言うんだから。

期待するな。

同じ目にあうぞ。

「じゃあ、今日は一回帰って、お母さんの様子を見てみる。それで、もしたえられなかったら…ここに来る。」

本当はここにいたい。

先生と、こうやって話していたい。

でも…。

「私ね、今日先生と話して、わかったんだ。
私は、誰のことも信用してなかったんだなあって。
でもね、今は、先生のこと信頼してるから。
だからお母さんと、ちゃんと向き合う。」

「…わかった。でも今は熱あるから、泊まっていき。
そしたら明日、家までおくってあげる。」

「…うん…ありがとう…」

私は先生に向けて心からの笑顔をつくった。
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