半径3cm未満に
「いたっ…」

お母さんは私に火のついたたばこをおしあてた。

色々なところに、何度も、何度も…。

「もおっ…やめてえ…やめてえっ…」

たくさんけられた。

たくさんなぐられた。

何度も「タヒね」って言われた。

「お前のこと...もう家族とは思ってないっ…」

お母さんの腰から、包丁が見えた。

殺される…。

そう思った私はくつもはかずに外にとび出た。

はやく先生助けて、といわんばかりのスピードで。

ーー先生からおかゆをもらって食べた日の夜の出来事だった。

とにかく必死に走った。

先生は私に気づくと、すぐに車を近づけてくれた。

大急ぎで車の助手席に乗る。
< 76 / 108 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop