半径3cm未満に
「先生の家に住みたい…」

「…うん、いいよ。」

先生は特に何も聞かなかった。

「…先生…私、タヒんだ方がいいの…?」

車をはしらせる先生の顔は見ずにそう聞いた。

「俺はタヒんでほしくない。日向さんと話してたい。」

先生には、お母さんのところには明日行けって言われてた。

でも私は一秒でも早くお母さんと話したくて、今に至る。

時刻、9時17分。

もう涙は出なかった。

先生の言う通り、明日にすれば良かったな。

そしたらこんな事にはなってなかったかもしれないから。

「今日はもう、風呂入ったら寝よう?」

あ、そうだ、お風呂入んないといけないんだ。
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