半径3cm未満に
家に着いて、私は自分の傷を確認した。
アザになりそう…。
赤くはれあがっているところがたくさんある。
しかも白かったTシャツもワイン色に一部染まっている。
「今風呂わかしたからね。」
先生はそう言って優しく笑った。
「後で消毒してあげるね。」
「…先生できるの…?」
「…一応できるよ。救急箱あるし。」
「…そっか…。」
私は必死に口角をあげようとした。
笑えば、先生も少しは安心してくれるだろうし。
でも、1mmも頬はあがらなかった。
「…あ。」
「え、何?どうしたの?」
私は気づいてしまった。
下着の着替えが、ない。
Tシャツとかズボンとかは先生から貸りれるけど、さすがに下着はマズい。
同じの…着るの…?
家には…もう帰れない。