半径3cm未満に
『お母さん、自分でもわかってるの。
お父さんがいなくなってから私たちに迷惑かけてるって。
だから、海里さんって人と再婚を考えてるって。』

海里さんって、もしかして、あの時出ていっちゃった人…?

だとしたら、私…。

『お母さんもお母さんなりに、私たちのことを思って行動してくれてるの。
今までの事もしんどいのわかるんだけど、お母さんの再婚が上手くいけば私達もう1回やり直せると思うの。
だから恋衣、お母さんをよろしくね。約束』

「…うん…。」

私はソファーから落ちた。

だとしたら私、何てひどいことをしたのだろう。

私たちのために行動して…お母さん自身、変わろうとしているのに…。

そりゃあ、あんなことするよね….。

「ぐずっ…ぐずっ…。おかあさん…おかあさん…ごめんなさい…ほんと…私…」

今日何度目かわからない涙をこぼした。

「はあ、はあっ…お待たせ…」

気づいた時には先生が後ろにいた。
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