時をこえて、またキミに恋をする。
それでようやく気がついた。


…あれ?

夢じゃ…ない?


でも、人が突然現れるわけ――。


そこで、わたしは徐々に寒気がした。


…まさか、あれは…幽霊……?


冷静になって考えてみたら、それが一番納得がいく。

そういえばお父さんの弟の叔父さんも、初めて霊を見たのは中学生のときって話してたし…!


だからわたしも、ついに霊感に目覚めてしまったに違いない。

…うれしいことではないけど。


たしか、霊感を持つ者は幽霊を助けてあげないといけないって、お父さんが朔に口うるさく言っていた気がする。

ということは、わたしもあの幽霊を助けてあげないといけないのかな…?


そんなことを考えながら、ぼんやりと倒れている幽霊を遠目に眺める。

すると、かすかに指先が動いたのが見えた。


と…とりあえず、近づいてみよう。
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