時をこえて、またキミに恋をする。
だけど、今日は6人部屋。


しかも男子部屋は、早くもまくら投げが始まっていて、荷物が荒れ放題の状況らしい。


「そんなに竹刀が心配?べつに折られるわけでもないのに」

「…とにかく!今晩だけ預かってくれ!」


そう言うと、宗治はわたしに竹刀袋を押しつけた。

「も〜…」と小声でつぶやき、竹刀袋を受け取る。


わざわざ女子部屋にわたしを訪ねにきてくれたから、何事かと思ったけど。

やっぱりたいした用事ではなかった。


だけど、……あれ?


ここに入っているのは、竹刀のはず。

なのに、竹刀にしてはずっしりと重みがあるような…。


「…まさか!」


わたしは宗治が止めるのも聞かずに竹刀袋の紐を解いた。

そして、中から現れたものを見て目を疑う。


「宗治…!こんなところに、なに持ってきて――」
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