時をこえて、またキミに恋をする。
修学旅行に持っていくと言えば、止められることはわかっていたから、素振りをするためだと言って竹刀袋に隠してまで持ってくるところは、もはや確信犯だ。


そして結局、同じ部屋の男友達に荷物を荒らされて桜華が傷つくと困るからと、わたしのところへ持ってきたというわけだ。


「前にも言ったけど、こんなの学校にバレたらヤバイんだよ…!?」


ヤバイどころでは済まない。

警察沙汰だ。


「…わかってるっ。でも、1日たりとも桜華と離れるわけにはいかねぇんだよ」


宗治は真剣なまなざしで、わたしが抱きかかえている桜華に目を向ける。

それは、好きな人を見つめる目そのものだった。


「…しょうがないなぁ」


わたしは、あきれながらため息をついた。


もう今さらどうしようもない。

それに、明日には帰るわけだし。
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