時をこえて、またキミに恋をする。
ハッとして振り返ると、部屋の外から黒い煙が流れるようにして入ってきていた…!


…さっきまでなんともなかったのに。


「…ケホッケホッ!」


息をするだけで、苦しくて咳き込んでしまう。


早く宗治に届けないと…!


煙をかき分けるようにして部屋から出ようとするも、ほとんど前が見えないし、煙がしみて目を開けることすらできない。


そのせいで、足元にあったなにかを踏んづけてしまい、バランスを崩して派手に転んでしまった。


うつ伏せになって倒れ込んだところに布団があったから、それほど痛くはなかった。

おそらく、踏んづけてしまったのはまくらだろう。


しかし上体を起こそうとしたとき、右足に鋭い痛みが走った。


「――ッ…!!」


労るように、手が右足首に伸びる。


まくらを踏んづけた拍子に、最悪なことに足をくじいてしまったようだ。
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