時をこえて、またキミに恋をする。
原理はよくわからないが。


サイレンの音で、消防車がすぐ近くまできていることがわかる。


被害は最小限で収まりそうだと思っていると、なんだか周りがざわつき始めた。

みんな口々になにかを話している。


「…おい、どうしたんだよ?」


近くにいた同じ部屋のヤツに声をかけると、眉間にシワを寄せて深刻そうな顔で俺に伝えた。


「よくわかんねぇけど、あっちで菅がなんか言ってる…」

「菅さんが?」

「…だれかがいねぇとかって」


いないって、さっきの点呼で全員いることは確認済みだろ?


「ちょっとごめん」


俺は、生徒と生徒の間を縫うようにして菅さんのもとへ向かった。


「ねぇ先生!なんとかしてよ…!」


先生に向かって、ものすごい勢いでなにかを訴えている菅さん。

俺はそんな菅さんの肩を叩いた。
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