時をこえて、またキミに恋をする。
…俺のせいか。

だから、びぃは無茶してまで桜華を取りに戻って――。


「…バカ野郎!!そんなことのために、わざわざ命張るんじゃねぇ!」


…『バカ野郎』。


でも本当は、その言葉は自分に向けて言ったものだった。


バカは、俺のほうだった。

俺のせいで、びぃを危ない目にあわせることになるなんて…。


「…って、こんなところで無駄話してる場合じゃなかった。とりあえず、外に出るぞっ」

「…待って。わたし、足を…」


どうやらびぃは、足をくじいているようだった。


それがなんだよ。

そんなことで、俺がお前を置いていくわけねぇだろ。


俺はびぃの腰と膝の裏に手を添えると、そっとびぃの体を抱き上げた。


…急がねぇと!


そう思ったのに、なぜだかびぃが足をバタつかせて暴れ出した。
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