時をこえて、またキミに恋をする。
「宗治はバカだよ」


すると、俺の後ろからそんな声が聞こえた。

振り返らなくたってわかる。


「だれがバカだって?」

「だから、宗治がだよ」


びぃが俺の隣に座る。


俺がバカか…。


知ってるよ、そんなもの。

昨日の火事で思い知らされたんだから。


自分にあきれて、思わず笑ってしまった。


でもな、それはお互いさまなんだよ。


「なに言ってんだよ。お前だってバカだろ。火事の現場に突っ込むなんて、丸焼きにされたかったのかよ?」

「宗治、あんたねー…。もう少し、わたしに――」


丸焼きにされなかったのは、俺が助けにきたおかげなんだからな。

そこは感謝しろよ?


…だけど。

あの状況で、桜華が無事だったのは――。


「ありがとう」


びぃのおかげだよ。


今まで、びぃに感謝することなんてなかったけど…。
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