時をこえて、またキミに恋をする。
「それなら…」


わたしは店内を見て回ると、あるところで足を止めた。


「これなんてどうですか?」


わたしが先輩に紹介したのは、タオルハンカチのコーナー。

そこにある、イニシャルの入ったハンカチを指さした。


「ハンカチだったら毎日持ち歩きますし、自分の名前のイニシャルが入ったものならうれしいですから」

「いいね!…それじゃあ、イニシャルは――」


とつぶやきながら、古関先輩はあるイニシャルのハンカチに手を伸ばした。

…だけど、なにを思ったのか、その手を引っ込めてしまった。


「やっぱり別のものにするよ…!他にオススメはある?」

「あ…、はい。じゃあ、こっちにも」


あのイニシャルのタオルハンカチ、かわいかったんだけどな。

よく雑誌でも見かけるから、きっともらって喜ばれるものだと思ったんだけど。
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