時をこえて、またキミに恋をする。
数年前から、さっきと同じ夢を何度も見る。


火の手が迫る昔のお屋敷のような建物の中で、袴姿の男の子がわたしに背中を向ける。

そして、なぜかわたしはその男の子から『姫』と呼ばれている。


――という不思議な設定の夢だ。


初めは、1年に1回ほどしか見なかった。

それが半年に一度、数ヶ月に一度と増えていき…。


最近は、毎月1回はその夢を見るようになった。


だけど、いつも夢は同じ場面で始まり、同じ場面で終わる。


夢に出てくる男の子の顔を見てみたいのだけれど、そこで目が覚めてしまうのだ。


都美(みやび)〜!朝ごはんできてるわよ〜」

「はーい!」


1階からお母さんの声が聞こえる。

わたしは、クローゼットを開けるとハンガーにかかった制服を取り出した。


紺色の襟に紺色のスカート。
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