時をこえて、またキミに恋をする。
宗治といっしょにいるところを見られるといけないので、宗治をお店の奥に追いやると、わたしは古関先輩のところへ向かった。


「買えましたか?」

「ああ。高倉のおかげだよ」


そう言って、古関先輩はピンクのリボンでラッピングされたプレゼントを見せてくれた。


「先輩の気持ち、伝わるといいですね」

「そうだな」


ほら、この先輩の幸せそうな顔。

きっと好きな人のことを思い浮かべているんだ。


その先輩の好きな人がわたしだなんて、宗治もなに寝ぼけたことを言っているのだろう。


そのあとは、スポーツ用品店に行ったり、ゲームセンターで遊んだりして過ごした。


そして、帰り道。


「今日は付き合ってくれてありがとう」

「いえ…!こちらこそ、楽しかったです」


川のそばの遊歩道を歩きながら、西に傾いた太陽を遠目に見つめる。
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