時をこえて、またキミに恋をする。
――それって、つまり。


「ようやく気づいてくれた?オレの好きな人は、高倉だよ」


まっすぐにわたしを見つめる古関先輩。

わたしの胸がドキッとする。


「せ…先輩、なんの冗談――」

「冗談なんかじゃないよ。部活では、マネージャーの高倉に本当にお世話になった。だから、なにかお礼をしたかったんだ」


これは……夢?

だって、学校一モテる古関先輩の好きな人が…わたしだなんて。


「プレゼント、受け取ってくれるかな」


わたしは、古関先輩が手にするプレゼントに目を移す。


…そういえば。

イニシャルのタオルハンカチを提案したとき、古関先輩は『M』のハンカチを取ろうとした。


あれは、都美の『M』だったんだ。


それに、このヘアゴムを選んだときだって――。


『えっと…。わたしだったら、これかな』
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