時をこえて、またキミに恋をする。
『それじゃあ、これにするよ』

『え…!?でもそれ、わたしがかわいいなと思っただけで、古関先輩の好きな人がそれが好みだとは――』

『いいんだ。オレもこれがいいから』


どうして、わたしが選んだものがよかったんだろうと思っていた。

古関先輩のお世話になっている人とは趣味が違うかもしれないのに。


でもあれは、初めからこうしてわたしに渡すつもりだったんだ。

だから、わたしがいいなと思ったものを…。


「部活では、高倉のことはマネージャーとして接していた。でも、本当は高倉が剣道部に入ったときから気になっていた」


愛おしそうにわたしを見つめる先輩の視線から目を逸らすことができない。


「もうオレは剣道部を引退した。だから、部員とマネージャーという関係じゃなくて、高倉とは彼氏彼女の関係になりたい」
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