時をこえて、またキミに恋をする。
まるで先輩からわたしを庇うようにして、目の前にだれかが立ち塞がった。


「姫はだれにも渡さない」


そんな声が聞こえ、顔を上げると――。


「こいつは俺のものだっ」


なんとそれは…宗治だった!


「…宗治!?」

「春日井くん!?」


古関先輩にバレちゃいけないのに、なんで宗治…出てきちゃったの!?


古関先輩だって驚いている。


「春日井くん、どうしてここに…」

「…すみません。先輩の買い物を邪魔するつもりはなかったんですが、こいつのことになると話は別で…」


それで勝手に体が動いて、思わず出てきてしまったのだという。


宗治がついてきていたと知って、きっと先輩はいい気はしないはず。

だけど、古関先輩は怒るどころか、なぜか口元がゆるんでいた。


「春日井くんのその気持ち…わかるよ。だって、オレと同じだから」
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