時をこえて、またキミに恋をする。
口をつぐんでしまって、うつむくわたし。

そんなわたしに、先輩は優しく頭をなでた。


「困らせてごめんな。それが高倉の返事だってわかったよ」


古関先輩は微笑むと、わたしの手からピンクのリボンのラッピングがされたプレゼントをそっと受け取った。


「高倉にはお世話になったから、なにか贈りたいと思ったのは本当だよ。だから、プレゼントだけでももらってほしかったけど…」


そう言って、古関先輩はあるほうへ視線を移した。


「でもそんなことしたら、“彼”が気にするだろうしね」


その視線の先にはいたのは、宗治。


なぜか、宗治は恥ずかしそうに頬をかいている。


「あとは、2人仲よく」

「…な、仲よくって…!」

「それじゃあ」


古関先輩は背中を向けてわたしたちに手を振ると、帰っていった。
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