時をこえて、またキミに恋をする。
「そういえば、古関先輩の告白…。断ってよかったのか…?」

「…う、うん。剣道部の先輩としては好きだけど、付き合うとか…そういうのじゃないから」


…って、恋愛初心者のわたしなんかが、なに宗治に語っているんだろう。


「ていうか、そもそもあの場に割って入ってきたのは宗治じゃない」


自分から邪魔しておいて、なにその言い草。


「それに、『こいつは俺のものだっ』ってなに…?あんなこと言うから、古関先輩に変な勘違いさせたかも」


まるで、…わたしと宗治が好き同士みたいな言い方。


わたしだって、一瞬勘違いしそうになってしまった。

だけど、そんなはずないのは自分が一番よく知っている。


「『姫はだれにも渡さない』なんて、宗治にとっての『姫』は都子姫でしょ。なんでわたしが…」


でも本当は、そうだったらいいのにな…と思ってしまった。
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