時をこえて、またキミに恋をする。
いくらわたしと都子姫が瓜二つの顔だったとしても、わたしを『姫』と呼ぶだなんて、今のわたしにはそんな冗談……悲しいだけ。


「今度古関先輩に会ったら、宗治からちゃんと説明しておいてよね。わたしと宗治は、べつになにもな――」

「なにもねぇわけねぇだろ」


夕暮れの空に、静かで低い声が響く。


「勘違いでもねぇし、『姫』と呼んだのも言い間違いなんかじゃない」


…ちょっと待って。

なにそれ…。


それって、わたしが――。


「今の俺にとっての『姫』は…。お前だ、都美」


…『都美』。

初めて宗治がわたしを名前で呼んだ瞬間だった。


まっすぐにわたしを見つめる宗治。

その吸い込まれそうな瞳から、わたしは目をそらすことができない。


「…なに言ってるの。だって、宗治が好きなのは都子姫なわけで…」
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