時をこえて、またキミに恋をする。
赤いリボンのセーラー服。


これが、わたしが通う神代(かみしろ)中学の制服だ。


パジャマから制服に着替えると、部屋を出た。


わたしの名前は、高倉(たかくら)都美。

ごくごく普通の中学2年生。


だけど、他とは少し違うところといえば――。

わたしは、社家(しゃけ)の娘だということ。


わたしの家は、夜月(よづき)神社という小さな神社の敷地内にある。

お父さんが神主、おじいちゃんが宮司だ。


決して大きくはない神社だけれど、この辺りで初詣といえば、みんなうちにきてくれる。


わたしはそんな夜月神社の娘として、厳しくものびのびと育てられた。


わたしの家は日本家屋で、1階に下りると8帖の居間には楕円形の座卓を囲むようにして、家族のみんなが集まっていた。


湯呑みに入った熱いお茶をすするおじいちゃん。
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