時をこえて、またキミに恋をする。
「わたしが…都子姫の生まれ変わり?」

「そうじゃ。都美が何度も見るという夢は、前世の都子姫の記憶じゃ」


にわかには信じがたいけど、そう説明されるとあの夢の内容にも納得がいく。


宗治とは今日初めて会ったものとばかり思っていたけど、どうやらわたしは前世ですでに出会っていたようだ。

都子姫として。


そして、あの夢の続きが宗治がタイムスリップするまでの話と繋がる。

あの火事の現場から都子姫を助け出したあと、宗治は一度そこで亡くなったのだ。


「この前世の記憶っていうのも、救い人の力と関係があるの?」

「それは関係ないのぉ。特殊な力がなくても、世の中には前世の記憶を持って生まれる者も存在するからのぉ」


わたしは都子姫の生まれ変わりだからこそ、姿かたちが同じで、運命的に似た名前をつけられたのだろうと。
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