時をこえて、またキミに恋をする。
「そうだよ。うちの名字は『高倉』」


ということは、この高倉壱という人と都子姫が結婚したことによって、数百年後にわたしたちが生まれた。


つまり2人は、わたしたちのご先祖様だ。


「宗治くんが結婚相手に選ばれるはずだったかもしれんが、時渡りがきっかけで宗治くんが元の時代から姿を消し、かわりに都子姫はこの高倉壱と結婚することになったんじゃろうな」

「…そんな。俺じゃなくて、壱なんてっ…」


愕然とする宗治。

たしかに、結婚を約束していた人が自分ではない他の人と結婚したって知ったらショックだよね。


「宗治は、その『壱』って人のこと知ってるの?」

「壱も幼なじみだ。ただ、壱も都子姫の結婚相手の候補として、俺といっしょに都子姫に仕えていた」


宗治と都子姫と壱さんは、昔からの幼なじみ。
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