時をこえて、またキミに恋をする。
そのお茶を人数分の湯呑みに急須から注ぐおばあちゃん。

新聞を読むお父さん。

朝ごはんを並べるお母さん。

テレビをつける、弟の(さく)


これが、わたしの家族だ。


一見普通の6人家族のように見えるけど、これまた他とは少し違うところがある。

それは、みんな霊感を持っているということ。


家が神社という家系だからだろうか…。

そんな家系に引き合わされるように、お嫁にやってきたおばあちゃんもお母さんにも霊感がある。


当然、まだ小学5年生の弟の朔にも。


高倉家は、代々みんな霊感を持っているんだそう。


――しかし、その中でも例外なのはわたし。


わたしには霊感がない。

わたし以外の家族は、物心ついたときから霊を見たり、霊と会話ができるらしいけど、わたしにはそれらがさっぱり。
< 4 / 279 >

この作品をシェア

pagetop