時をこえて、またキミに恋をする。
「ちょっと…どこ行くの!?」

「戻る方法が他にないか、探しに行くんだよ!」

「探しにって…。ここは、宗治が住んでいた世界とは違うんだよ?」

「そんなことはどうだっていい!のんびり来年の春まで待てるわけねぇだろ!」


宗治はそう言うと、腰に刀をさして、所々が焦げてボロボロの袴姿のまま出ていってしまった。


「おじいちゃんおばあちゃん、止めなくてよかったの…!?本当にどこかに行っちゃったよ?」

「さすがにあのにいちゃん、…ヤベーんじゃねぇの?」


心配するわたしと朔だけど、おじいちゃんとおばあちゃんは焦る様子は一切なく、お茶を飲んでほっこりしている。


「なにも心配することはない。そのうち自分から帰ってくるからの〜」

「自分から…帰ってくる?」


あの無鉄砲そうな剣士が、そんな素直に帰ってくるものなのかなぁ。
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