時をこえて、またキミに恋をする。
でもどちらかというと、わたしは幽霊とかが苦手だから見えなくてよかったと思っている。


わたしは普通の人と同じで、特殊な能力なんてなく、平凡な日々を過ごす。

ずっとそう思っていたし、わたしもそれを望んでいた。


だから、まさかわたしの中にあんな力が宿っていただなんて――。

そんなの、考えたこともなかった。



「おはよー、都美!」

七海(ななみ)、おはようっ」


学校へ着くと、昇降口で同じクラスの七海といっしょになった。


(すが)七海。

ポニーテールがよく似合う、明るくて活発な性格。

小学校から仲のいい、わたしの一番の友達だ。


七海と話しながら、教室へと向かう。


「おはよう、高倉」


するとその途中で、後ろからだれかに声をかけられた。

振り返ると、わたしよりも頭1つ分以上背の高い黒髪短髪の人――。
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